
中山道木曽路ウルトラオリエンテーリング2026参戦記
2026/5/16に開催された中山道木曽路ウルトラオリエンテーリング2026に参加してきました。
岐阜県中津川駅前を4:00にスタート、旧中山道を中心に38箇所のCPを順番に通過し、長野県塩尻市の平出遺跡公園を24:00までの到着を目指す、約101.5kmのコースです。
100k参加にあたって
フルマラソンが苦手、ロードのレースはハーフが最長と普段はアスファルトを行くレースは避けているのですが、いきなり100kのウルトラに出ようと思ったきっかけは、翌年の「善光寺街道ウルトラオリエンテーリング2027」が開催予定されているから、です。
かつて松尾芭蕉が姨捨山の月見んと岐阜から中山道、善光寺街道を通り、善光寺まで旅をした旅程を追体験する、そんなイベントです。
善光寺街道(北国西往還、善光寺道とも)は今回ゴールの長野県塩尻市の洗馬宿から中山道と分かれ松本、麻績等を通り善光寺まで繋ぐ街道。
以前KFCトライアスロンクラブが開催していた信州聖山スカイラン(現在は休眠大会。良い大会だったんですが)にて聖湖周りに行く間に善光寺道の標識はいくつか見ており気になっていたんですよね。実際一部はルートになっていたように思えます。
善光寺と繋ぐ旧道ということで興味はあったのですが、訪れる機会もなかったのですが、来年大会がある、ということを知り、せっかくなので前哨戦となる2026年大会も力試し、と思ったのが参戦のきっかけです。
準備
普段と異なるアスファルトメインの長距離、ただし街道沿いということである程度補給はできるだろうと踏んで、食料はやや少なめにしたものの普段山に行くときと同じようなグッズ(食料、水、ヘッドライト、モバイルバッテリー、雨具、救急セット、熊鈴等)格好も結局いつものタイツ&長袖でとりあえず日焼け対策です。日焼けすると体力が落ちる気がするので。
問題は足元。geminiと相談して、一度履いただけで御蔵入りしていた、New Balance Fresh Foam X More Trail V3を引っ張り出して履くことに。
厚底靴で足への負担を下げつつ、一部ある石畳(落合宿)やトレイル(馬籠峠、鳥居峠)にも対応可能ということで採用となりました。
普段の山のレースでは厚底なのが気になって、あまり履いていなかったのですが、シビアなルートではないのでいけるでしょう、ということで。
レギュレーション
過去の大会だと参加者に発信機が配られた年もあるようですが、今年からはNavitabiアプリを各自のスマートフォンに入れて参加します。
途中にあるCPはNavitabiアプリでパンチ&写真撮影で通過証明。そのためモバイルバッテリーの持参が推奨されていました。
救済措置としてカメラでのチェックやGPSの軌跡の提出(後日可)でもOKという形でした。
紙の地図は1:25000がA4サイズで15ページ配布されました。こちらには主催者推奨ルートが書いてあります。基本的には推奨ルートを行けば旧中山道沿いかつCPを取りやすく、歩きやすいルートとなっていたようです。とはいえCPを順に取れれば良いので、オリエンテーリング藪漕ぎ、まではいかないものの、バイパス(国道19号)沿いに行くというのもあり、もっと寄り道してもあり、という形です。
また、NaviTabiアプリは現在地が表示される設定でしたので、概ね紙の地図よりはNaviTabiアプリとにらめっこするほうが多かったと思います。
結果は
思い出に浸る前に、結果としては18:28:59でなんとか完走できました。
101.5km、途中ポイント逃して戻ったり、ちょっと脇道にそれたりで103kmほどだったと思います。20-50kmあたりで何度か止めようかと思いましたが、いつもの足切りにあったら仕方ない精神で、次のエイドを目指していたらなんとなくゴールまで繋がった、そんなレースでした。
昼の暑い時間は歩きでしのぎ、下りだけは頑張って走る、をほぼ最後のほうまで貫けたのもちょっと良かったです。平地でも登りでも走ってらっしゃる方も周りにたくさんいて、気持ちが違うな(皆さん強い、私は・・・)みたいなことも考えましたが。
とりあえず来年に向けて完走できたのは一つ大きな自信になるように思います。
中津川~妻籠
中津川駅前からまず目指すは落合宿、割と住宅街多め、スタート直後であまりバラけていないので順調に進むことができました。落合宿を過ぎると馬籠宿を目指します。一部は当時のままという落合の石畳も見どころです。スタート直後、かつ登り基調ということで歩いて通りましたが、走ると不安定できっと疲れたろうとは思います。
馬籠宿は地形を利用して、坂に宿場がある珍しい宿場町。島崎藤村の出身地としても知られて一大観光名所で日中は観光客がという場所ですが、早朝5時半ごろに通過ということで人手も多くなく通過しました。中津川4時スタートというのもそのあたりを加味しての時間だったのかもしれません。

子どもの頃に訪れて、馬籠、妻籠間を歩いた記憶もあったのですが、実際に訪れてみると覚えていないものですね。ただし、中間地点にある茶屋はなんとなく記憶に残っていました。
馬籠峠を越えて、下ったところが妻籠宿。こちらだ第一エイド&関門。6:30と制限時間のより1時間前倒しの通過でした。妻籠らしく五平餅をいただきました。美味しかったです。

こちらの写真は畑に立っていた長野県とかかれた石碑。現在は岐阜県に編入された旧山口村にて。
妻籠~須原
妻籠を出て最初のCPを誤って通過。そろそろCPかと思ったときには200mくらい過ぎていたので戻りました。それなりに下ってしまっていたので登ることに。まだこの時点では感覚と距離感がちょっとあっていなかったように思えます。
その後も地図の道と実際の道が噛み合わず若干ロスト気味に。南木曽駅までのナビゲーションは苦労した、そんなところでした。
広い木曽の木材置き場がある南木曽駅を越えると三留野宿になります。読み方は「みどの」になります。ちょっと難読、でしょうか。このあたりから気温が上がってきて、また国道19号沿いを通ることになり若干辛くなってきた、そんなところでした。
また、地図を見返して気づいたのですが、三留野宿を出たところから川沿いの道と山に向かう道、どちらにも中山道と記述があるようです。調べてみると川が氾濫した際に利用される迂回ルート(山に向かう道)があったとのことで、今回は川沿いの道を行く形でした。
野尻宿を通過します。七曲りと呼ばれるあえて外敵を防ぐ目的で曲がりくねった町並みが特徴とのことです。確かに曲がりくねっていましたが、暑さにやられている身としてはベンディングマシンで飲み物を買えた、という印象が強かったです。
野尻宿を越えて大桑駅近くで何人かウォーキング?登山?の方にすれ違って少しお話。
100k歩いたり走ったりんですよーというと受けが良く、また応援されるので気持ちを切り変えて前に進もうと思えました。ありがとうございました。
そのまま須原宿へ。ここが第二エイド&関門です。9時半ごろ到着ということで、制限時間を1時間半ほどと珍しく制限時間までの余裕を拡げて到着できました。こちらではクリームパンとナガノトマトさんのりんご味が配られました。どちらも美味しくいただきました。
予定よりも多少早かったのでのんびりしつつ、野尻宿で買った飲み物も心もとなかったので、駅前のベンディングマシンへ。新1000円札を出すものの受け付けてもらえず。少し離れたコンビニまで頑張る気力もなかったのと、これからも国道19号沿いということで、ベンディングマシンがあるだろうと高をくくって進むことに。
須原~福島
須原宿を出たあとも再び国道19号沿いをいきます。
日差しが厳しいので無駄に走らずとにかく歩いて先を目指します。CPをとにかく逃さないように注意しながらひたすら地図とNavitabiを確認しながら歩きました。
また、このあたりで一区切りの40kmを越えたと思います。6時間を目標としていましたので、ほぼそのくらいのペース(2分ほど遅れ)で通過となりました。
そして、あると思っていたベンディングマシンは全くなし。エイドで配られた水はまだありましたが、暑いとどうしても冷たい水がほしくなります。
山が近いこともあるせいか旧道には何軒か湧き水があるご家庭もありましたが、勝手に拝借するわけにもいきませんので、ぬるい水でなんとかしのいでいました。
そんな中、ちょうどご主人がいらっしゃる湧き水のあるご家庭が。お水をいただけるか伺ったところ、山にイノシシが出るので飲用は勧められないとのこと。ただ今でも飲用に使っている湧き水がもう少し先にあるとのこと。推奨コース上にあればラッキーと思い歩を進めました。

こちらがその湧き水。水道が整備されるまで実際に引用されており、今でも検査をしているとのことで安心して、浴びつつ浴びるように飲みました。ありがとうございました。少ないですが浄財も入れさせていただきました。
さらに行くと上松宿です。こちらの読み方は「あげまつ」。三留野ほどではないですが、こちらも初見だと難しい読みに見えます。
その上松宿の手前で親子連れの方々に応援されてさらに気分一新。本当にありがたかったです。
上松宿のある上松駅前は開けていましたのでベンディングマシンも潤沢に、ということで何本か買いました。
また、お楽しみのもう一つが長野県で4月から始まった中山道の御宿場印です。
これまでの宿場町では販売所が開いていなかったり、コースから大きく外れるので寄りにくかったので、実質ここが最初の御宿場印購入になります。甲州街道は収集を行っていますが、企画として中山道に手を出すか決めあぐねていますが、来訪記念としてこの後できるだけ入手したいと思っていました。この時点では。
道の駅木曽福島近くの御嶽遙拝所(東門遥拝所)がCPだったのですが、ポイントが階段の上、ということで結構苦戦しながら下りました。登りはまだいいのですが。
更に進んでようやく福島宿。こちらが第三エイド&関門になります。14:30までのところ、13:32ごろ着ということで貯金を使った形ですね。ほぼ歩きとなっていたので仕方ないところかもしれません。
お楽しみの食事は地元のもなか。聞いたときはこの暑くて喉がパサパサなのでもなか食べたらむせるんじゃないかと思いましたが、しっとり目の皮に包まれており、難なくいただけました。美味しかったです。
駅前の観光案内所で福島宿と宮ノ越宿の御宿場印をいただけるので、いただきました。宮ノ越宿はこれからなのですが、行くのでOKでしょう。
福島~奈良井
次の御宿場印は木祖村観光協会だったのですが、16:00までの営業とのことで、残り15km。ムリですね。ということで早々に諦め、完走(完歩?)に頭を切り替えます。
宮ノ越宿を越えたところにある義仲館から義仲の妻の巴御前の伝説が残る巴淵へ行く間に何グループかに追いつかれ、ちょっと凹みつつも進んでいきました。
巴淵の先の古道の分岐(その石碑がCP)では数時間前に熊の目撃情報があったということでスタッフさんが車で回ってくださって、私が行ったときには特に熊はいませんでした。
スタッフさんにはこのペースなら十分、ゴールを目指せるので頑張れと励ましていただき、凹んでいた気持ちもちょっと上向きに。このあたりから夕暮れも近くなってきたので暑さも落ち着いてきたので、再びランも交えつつ進み、藪原宿のあった藪原駅へ。
駅前でベンディングマシンがあったので再度冷たいものを補給しつつ、この先にある後半のボス、鳥居峠に備えます。と、のんびりしていると、先ほどとは異なるスタッフさんから、17時までに出立できない場合にはリタイヤとするとのこと。1つ前のCPでは行けると言われたのに!!??と若干混乱しますが、でないわけにも行かないので大急ぎで身支度をして鳥居峠を目指しました。
登りの足があまり残っていないので、山道は堪えましたが何とか我慢しつつ峠につき、CPを探すもNaviTabiが指すのは山の中。直登できるような道もなくどうしたものかとさまよっていると何人か同じように迷っている方が。3人よらば・・・ではないですが皆で色々探していると進んだ先に登山道があるというので行ってみるとCPが。藪原駅で急かされた理由も後で聞いたところだとこのCPが少し難しい(今までは推奨ルート上にあった)のでそれも加味してとのことでした。
そのCPを取るとあとは下りのみ。奈良井宿へ一気に山道を駆け下ります。下りの足は残っていたので気持ちよく走れました。
そうして雰囲気抜群の奈良井宿へ。こちらが第四エイド&関門です。19:10制限のところ18:20くらいに到着。こちらではほぼキープでしょうか。
食事は塩むすびとナガノトマトさんのジェル。こちらでは塩トマト味でした。塩トマト味しっかりしょっぱく、かつトマトの風味が抜群ですので、甘い系が多いジェルの中ではちょっと異色なお味ですが、トマト嫌いではければかなりおすすめできるフレーバーです。

奈良井~塩尻
奈良井宿は馬籠、妻籠宿と並んで長野県の宿場町の顔のような存在ですので外国人観光客の方も多く、かなりフレンドリーに声をかけてくださってちょっとした異文化交流?という感じでした。拙い英語(単語ばっか)でちょっと話をしてみたり。これまた元気づけられます。ありがとうございました。わかりにくい英語でごめんなさい。
あとはゴールを目指して進みます。ここからは割とのんびりしたペースでも良いので、それにかまけて歩いていましたが、いつの間にかスイーパーさん(最終走者の追い上げですね)が後ろに。どうも藪原駅で17時以降はリタイヤというのは本当だったようで、要は私が藪原駅出たときの最終走者。鳥居峠で下りを飛ばしたので最終走者でなくなったけど、奈良井宿でのんびりしている間に再び抜かれて最終走者になったようです。のんびりしたペースでも大丈夫、とはいえスイーパーさんがいるとちょっと手を抜けないのでできるだけ(下りだけ)走るようにしました。
もう最後、と言いつつも20kmくらいある塩尻までの道。鳥居峠で一緒になった方々に追いついたり抜かれたりしつつ進みます。夜になるとCPを見逃さないようにするよう気を張りながら贄川宿、本山宿と進みます。洗馬宿は中山道と善光寺道の分かれ道。前述の通り松尾芭蕉はここから善光寺道へ向かいますが、我々はゴールの塩尻を目指すので中山道を行きます。
そんな重要なCPなのですが、写真とCPが全然違う。先行していた方が探し回っているので怪しいなと思ったのですが、結局見つからず、仕方ないのでNaviTabiアプリ上のCPの場所で写真を取って進むことに(最終チェックでOKだったので写真の差し込みミスだったようです)
そんなハプニングもありましたが、無事ゴールの平出遺跡公園へ。
最後のほうはスタッフの方が回ってくださって色々と励ましてくださいましたが走る元気もなくひたすら歩いていました。なにはともあれ無事ゴールできてよかったです。
初の100km完走
旧中山道沿いをここまでしっかりと歩く(走る)ということはなかなかない機会でしたので無事完走できてよかったというのと同時に、馬籠、妻籠、奈良井といった観光地として見どころたっぷりな宿場町はもちろんのこと、その他の宿場町もかつての宿場町の趣(平屋建てで、道路に面した宿場らしい景色)を色濃く残しているところばかりでした。観光地としてガイドブックに載っているところを巡るだけだとなかなか気づかなかった部分かなと思います。
今回のテーマは松尾芭蕉ではありましたが、馬籠宿の島崎藤村や、木曽義仲といった時代は異なる歴史に思いを馳せることもできてよかったです。特に木曽義仲は高校時代に平家物語を研究する部活動を行っていたので、もう少し落ち着いて辿ってみるのもまた楽しそうです。機会があればまた行きたいと思える木曽路でした。
また、100kmの行程で、最初の40kを6時間程度という(恐らく一般的には)ゆったりペースを守れたこと、それ以降は歩いてでしたが思ったよりもペースが上がらなかったこと、来年に活かして来年行われる善光寺道もしっかり完走できればと思います。
今回のアクティビティを支えた行動食
本文中でも触れましたが、ナガノトマトさんのシンシュウエナジーです。
これは軽井沢のレース前日のブースで聞いた話ですが、ナガノトマトさんの商品開発の方がトレイルランニングをされるそうで、実際に試して商品化されているそうです。
他のジェルにはない塩トマト味、暑いこれからの季節にぴったりな商品だと思います。
また、コーラ味も出たそうです。今度ぜひ試してみたいと思います。